ピボットポイントの計算方法は、いくつかあります。
このレッスンでは、前回説明した基本的な計算方法とは異なる他の計算方法について説明します。
ウッディピボットポイント
R2 = PP + 高値 – 安値
R1 = (2 × PP) – 安値
PP = (高値 + 安値 + 2終値) ÷ 4
S1 = (2 × PP) – 高値
S2 = PP – 高値 + 安値
この公式を見ると、基本的なピポットポイントの計算方法と大きく異なることが分かると思います。また、対応するサポートレベルとレジスタンスレベルを計算するためには、前日の高値と安値の差を使用します。
EUR/USDのチャートにおけるウッディピボットポイント計算例を見てみましょう。ウッディピボットポイント、サポートレベル、レジスタンスレベルは実線で、点線は基本的な方法で計算されたレベルを表しています。

計算式が異なるため、ウッディピボットポイントの計算で求められるレベルは基本的な計算で求められるレベルと大きく異なります。
ウッディピボットポイントは前日の終値を重視するため、この計算方法を好むトレーダーもいます。
カマリラピボットポイント
R4 = 終値 + ((高値 - 安値) x 1.5000)
R3 = 終値 + ((高値 - 安値) x 1.2500)
R2 = 終値 + ((高値 - 安値) x 1.1666)
R1 = 終値 + ((高値 - 安値) x 1.0833)
PP = (高値 + 安値 + 終値) ÷ 3
S1 = 終値 – ((高値 - 安値) x 1.0833)
S2 = 終値 – ((高値 - 安値) x 1.1666)
S3 = 終値 – ((高値 - 安値 x 1.2500)
S4 = 終値 – ((高値 - 安値) x 1.5000)
カマリラピボットポイントの計算方法ではウッディピボットポイントのように、前日の終値とレンジを用いてサポートレベルとレジスタンスレベルを計算します。
唯一異なる点は、8つのレベル(4つのレジスタンスレベルと4つのサポートラレベル)を計算して、それぞれのレベルを乗数で掛けるという点です。
カマリラピボットポイントの概念は、価格には平均値(この場合は前日の終値)に回復する傾向があるという考えに基づいています。
つまり価格が第三のサポートレベルあるいはレジスタンスレベルに到達した際に注文を入るという考え方です。しかし、価格がS4やR4にブレイクしたとすれば、その日のトレンドは強力であることを意味し、流れに飛び乗るタイミングとなります。
カマリラピボットポイントと一般的なピボットがどのように異なるのか、見てみましょう。
*点線は基本的なピボットポイント

チャートから分かるように、基本的なピボットポイントとは対照的に終値が重視されています。そのため、レジスタンレベルがピボットポイントの下、サポートレベルがピボットポイントの上にあることがあります。
フィボナッチピボットポイント
R3 = PP + ((高値 – 安値) x 1.000)
R2 = PP + ((高値 – 安値) x 0.618)
R1 = PP + ((高値 – 安値) x 0.382)
PP = (高値 + 安値 + 終値) ÷ 3
S1 = PP – ((高値 – 安値) x 0.382)
S2 = PP – ((高値 – 安値) x 0.618)
S3 = PP – ((高値 – 安値) x 1.000)
フィボナッチピボットポイントは基本的なピボットポイントと同じように計算されます。
前日のレンジとそれに対応するフィボナッチレベルを掛けます。多くのトレーダーは38.2%、61.8%、100%のリトレースメントを計算に使用します。
そして、ピボットポイントの数字を足し引きするとフィボナッチピボットポイントレベルを求めることができます。
フィボナッチピポットポイントの計算方法と基本的なピボットポイントがどのように異なるのか見てみましょう。
*点線は基本的なピボットポイント

多くのトレーダーはフィボナッチ比率を良く使用しており、リトレースメントレベルや移動平均線などに利用しています。
では、なぜピボットポイントには使用しないのでしょうか?
フィボナッチとピボットポイントの両方がサポートレベルやレジスタンスレベルを判断するために使用されることを頭に入れておきましょう。多くのトレーダーがこれらのレベルを見ているため、実際に自己実現的なものになる可能性があります。
最も良いピボットポイント計算式とは?
他のインジケーターと同様、最良の方法はありません。ピボットポイントの知識をどのように他のツールと合わせて利用するかが鍵となります。
しかし、自動的に計算されるチャートでは基本的なピポットポイントの計算式が適用されていることを知っておいてください。様々な計算式で取引を試してみて、自分にあった方法を見つけることが重要です。