FX教育コンテンツ

ここでは少し数学的な部分に触れていきます。”pips”や”points”といった単語を耳にしたことがあると思いますが、このレッスンではそれらがどのようなもので、それらの価値はどうやって計算されるのかを説明します。

pipsとpoints

2つの通貨間で価値の変動を表すときに使われる単位を”pips”と言います。例えば、EUR/USDの価格が1.2250から1.2251に動いた場合、その0.0001USD分が1pipsとなります。小数桁4桁の通貨ペアの場合、pipsは最後の桁で計算されます。しかし日本円の場合は、小数点以下2桁目で計算されるなど、通貨ペアによって異なります。

重要：小数点以下2桁目や4桁目で通貨ペアの値を表示するブローカもあれば、小数点以下3桁目や5桁目で表示するブローカーも存在します。また最小単位は”points”といい、0.1pips＝1pointsで表されます。例えば、GBP/USDが1.51542から1.51543に動けば、0.00001USDが1pointとなります。

各通貨には相対的価値があるため、特定通貨ペアの1pipsの価値を計算する必要があります。
それでは、小数桁5桁の値を例にして、詳しく見てみましょう。

計算を分かりやすくするため、為替レートは比率で表します。
つまり、EUR/USDが1.2500である場合、「1EUR ÷ 1.2500USD」と表します。

例

USD/CADの価格：1.02000

為替レート：1USD ÷ 1.02000CAD
変動価格 ⅹ 為替レート = 1pips価値(基軸通貨の単位)
0.00010CAD x (1USD ÷ 1.02000CAD) = 0.00009804USD
USD/CADを10,000通貨取引した場合、価格1.02000に対する1pipsの変動価値は、約0.98USDとなります。
※為替レートは常時変動しているため、pipsの価値も随時変動します。

日本円を決済通貨とした通貨ペアでも例を見てみましょう。

GBP/JPYの価格：123.000
この通貨ペアのpipsは、小数点以下2桁目または3桁目で表され、1pipsは0.1JPYとなります。

為替レート：1GBP ÷ 123.000 JPY
変動価格 ⅹ 為替レート = 1pips価値(基軸通貨の単位)
0.010JPY × (1GBP ÷ 123.000JPY)= 0.0000813GBP

従って、GBP/JPYを10,000通貨取引した場合、価格123.000に対する1pipsの価値は約0.813GBPとなります。

口座通貨におけるpipsの価値

ポジションにおけるpipsの価値が理解できたら、口座通貨におけるpipsの価値も知っておきましょう。FX市場はグローバル市場であるため、全ての人が同一の通貨を扱うとは限りません。これは、pipsの価値を取引口座の通貨に変換する必要があることを意味します。

＜変換後の通貨と為替レートの基軸通貨が同一である場合＞
pipの価値 ÷ 該当の為替レートで簡単に求めることができます。

上記のGBP/JPYの例で算出したpipsの価値0.813GBPをUSDに変換してみましょう。
GBP/USDの価格：1.5590

0.813GBP ÷ (1GBP ÷ 1.55900USD)

GBP/JPYを10,000通貨取引した場合、1pipsの変動により約1.27USD変動します。

＜変更後の通貨と為替レートの決済通貨が同一である場合＞
pipsの価値 ｘ 該当の為替レートで求めることができます。

上記のUSD/NZDの例で算出したpipsの価値0.98USDをNZDに変換してみましょう。

NZD/USDの価格：0.79000

0.98USD × (1NZD ÷ 0.79000USD)

USD/NZDを10,000通貨取引した場合、1pipsの変動により約1.24NZD変動します。

これですべてを理解することは難しいと思います。しかし、多くのブローカーでは自動計算システムが整っているため、これらすべてを理解する必要があるかと聞かれれば、答えはNOです。ただし、トレーダーとして物事の流れを知っておく必要があります。