次に紹介するフィボナッチは、利益確定のターゲットを見つけるために利用するものです。
上昇トレンドの例から見ていきましょう。
上昇トレンドでは、一般的にフィボナッチ・エクステンションを使用して買い注文で利益を確定します。まず、重要なスイングローをクリックし、直近のスイングハイまでドラッグします。そして、カーソルを下にドラッグし、いずれかのリトレースメントレベルをクリックします。
そうすると、それぞれのエクステンションレベルが表示され、比率に対する価格水準が表示されます。
前回のレッスンでも使用したUSD/CHFチャートをもう一度見てみましょう。

フィボナッチレベル50.0%がサポートラインとして強く維持され、3回のテスト後に上昇トレンドを形成しました。上のチャートでは、価格が前回のスイングハイより上回っていることが分かります。
フィボナッチエクステンションツールを使用して、利益を確定するポイントについて見てみましょう。

リトレースメントのスイングローが発生したとき、何が起こったのでしょう?
- 価格が61.8%まで上昇し、前回のスイングハイポイント付近まで到達
- そして38.2%まで下落し、サポートレベルを形成
- 再度、価格が上昇して、100%でレジスタンスレベルを形成
- 数日後、価格は再び上昇し、161.8%でレジスタンスレベルを形成
この例から分かるように、61.8%、100%、161.8%は全て利益確定のポイントでした。
次に下降トレンドにおけるフィボナッチ・エクステンション使用例を見てみましょう。
下降トレンドでは、一般的にフィボナッチ・エクステンションを使用して売り注文で利益を確定します。
フィボナッチローソクのレッスンで紹介したEUR/USDの1時間足チャートでの下降トレンドを見てみましょう。

ここでは61.8%フィボナッチレベルのすぐ下で同時線が形成されました。売り手が再度飛び込んできたため価格が反転し、それがスイングローポイントまで価格を下げました。
フィボナッチ・エクステンションツールを使用してリトレースメント61.8%で売り注文を入れていた場合の利益確定ポイントを見てみましょう。

フィボナッチ・リトレースメントレベルから価格が反転した後に何が起こったのでしょうか?
- 38.2%でサポートレベルを形成
- 50.0%は最初のサポートレベルとして維持され、その後、注目エリアとなった
- 61.8%も注目エリアとなり、その後価格は前回のスイングローをテストするために下落
- さらに先を見てみると、100%もサポートレベルとして機能していることが確認できる
38.2%、50.0%、61.8%で利益を確定することも出来ていたでしょう。他のトレーダーたちも利益確定のために、これらのレベルに注目していたため、これらのレベルは全てサポートレベルとして機能しました。
この例では、フィボナッチ・エクステンションレベルで少なくとも一時的なサポートレベルやレジスタンスレベルを見つけることを示しています。必ずしも当てはまるということではありませんが、利益確定やリスク管理のためにポジションを正しく調整するには十分です。
もちろん、対処すべき問題もいくつかあります。
まず、どのフィボナッチ・エクステンションレベルがレジスタンスラインを形成するのかを正確に知る方法はないということです。これらのレベルはサポートレベルやレジスタンスレベルとして機能するかもしれませんが、そうでないかもしれません。
もう一つの問題点は、フィボナッチ・エクステンションレベルを形成する際にどのスイングローから始めるのかを決めることです。
1つ目の方法は、例で説明したように直近のスイングローから始めることであり、もう1つの方法は、過去30個のローソク足のうち、最も低いスイングローから始めることです。繰り返し述べているように、重要なのは正しい方法は存在しないということです。練習を重ねることでスイングポイントを上手く判断できるようになるでしょう。
フィボナッチ・エクステンションツールを利用するときは、自身の裁量で行う必要があり、トレンドがどのくらい続くかということを判断しなければならなりません。
次のレッスンでは損切り注文設定について学びましょう。